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制度の谷間を超えて
~ 当事者のための難病政策を考えるシンポジウム ~

タニマーによる、制度の谷間をなくす会

2012年10月04日、たくさんのかたにご参加いただきました。ありがとうございます。
粒谷区のみなさんによるtogetterまとめはこちら

 平成24年6月20日、障害者総合支援法が成立し、来年4月の施行に向けた準備が進められています。制度の谷間が解消されるはずだったこの法律は、実際には、その対象に(一部の)難病患者を追加したに過ぎず、根本的な谷間の解消にはほど遠い内容です。

 私たちは、支援を要するひと全てに必要な支援が行き届く制度が実現されるよう、みんなで考えてゆく最初の一歩として、シンポジウムを開催したいと思います。ぜひご参加ください。

 
 日本の障害者福祉制度は、戦後の傷痍軍人対策として身体障害者の福祉法が定められ、続いて知的障害者の福祉法成立と身体障害者の範囲の拡大、精神障害者の福祉法成立といった順に長い年月をかけて徐々に整備されてきました。それは、この障害を追加、あの病気を追加、というように、障害や病気の名前がひとつづつ支援対象リストに追加されてきた歴史でした。

 しかし、身体障害者福祉法の成立から60年以上経った現在でも、まだリストに載らない何らかの機能障害(難病を含む心身機能の障害)をもつ人、または、そもそも何年ものあいだ検査を続けながら病名すらわからない人が数多くいます。
 そうした人々は、「痛み」や「疲労」、「倦怠感」など様々な症状のために、重いものが持てない、移動範囲・活動内容が限定される、一日のなかで活動できる時間が数時間しかない、など、日常生活や就労に大きな困難が生じているにも関わらず、いまだに福祉サービスの対象となりません。
 こうした制度の谷間におかれた人=タニマーは、なんの福祉的支援も受けられない「制度上の健常者」として、今もひとりで過酷な日常を送っています。

 これに対し、障害当事者らの「Nothing about us, without us!(私たち抜きに私たちのことを決めないで)」という訴えを受け、当事者参加の下での障がい者制度改革が進行してきました。この結果、障害者制度の理念を定める障害者基本法が改正され、障害者の定義が変更されました。
 ここでは、リストに載った病名や障害基準だけを出発点にするのではなく、広く「心身の機能障害と社会的障壁によって日常生活や社会生活に制限を受ける人」のことを「障害者」としています。これは社会モデルの考え方を取り入れた、制度の谷間を生じさせない考え方であり、わたしたちタニマーももれなく公的支援を利用できるようになると期待をさせるに十分な内容でした。

 ところが、上記の理念のもとで制定されたはずの障害者総合支援法は、この期待に大きく反するものでした。この法律では、これまでのリストにわずかに、「国が指定する難病(病名)」のみを新たに加えてサービスの対象としたに過ぎません。
 ならば制度の谷間に落ちて今は「難病」と認定されない人は、これからも、絶え間ない痛み、倦怠感、様々な病態や困難に、ひとりで孤独に耐えるほかないのでしょうか。

 わたしたちは、「指定された障害基準を満たすか、該当する難病の診断書があるか」によって障害かどうかが決まるのではなく、病気や心身機能の障害を抱えながら「暮らすことの困難さ」こそが障害であり、そのような障害を抱える人が、心身機能の障害種別や病名の違いで分け隔てられることなく、必要とする人的支援にアクセスできる福祉法が必要だと考えています。

 困ってる人がひとりで困るのではなく、まして困りぬいて死を選んでいくのを見過ごすのでもなく、ひとり残らず必要な支援が行き届く制度をみんなで考えていきたいと思います。
 その最初の一歩として、下記のとおりシンポジウムを開催いたします。みなさんのご参加を、お待ちしています。
 

呼びかけ人: 大野更紗(作家・難病当事者)、白井誠一朗(社会福祉士・難病当事者)

 


当事者のための難病政策を考えるシンポジウム


日時
 10月4日(木)13時~15時
 参加費無料 / どなたでも歓迎 / 予約不要
 入口で通行証をお受け取りください

会場
 参議院会館 B107会議室(定員:78 名) 地図 / 周辺図
 地下鉄有楽町線「永田町」駅 1 番出口徒歩 1 分
 丸の内線および千代田線「国会議事堂前」駅 1 番出口徒歩 5 分

シンポジスト
 大野更紗(作家・難病当事者)
 白井誠一朗(社会福祉士・難病当事者)
 青木志帆(弁護士・難病当事者)
 篠原三恵子(NPO 法人筋痛性脳脊髄炎の会理事長・難病当事者)

オブザーバー
 茨木尚子(明治学院大学社会学部社会福祉学科教授)
 

* まわりの方へのお知らせにご協力ください。【 印刷用pdf

【問い合わせ先】「タニマーによる、制度の谷間をなくす会」実行委員会
メールアドレス: tanima_net@yahoo.co.jp
電話: (電話でのお問い合わせ受け付け終了しました)

 
 


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