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evergreen・ママの気持ち

 

どうしたものか。この感覚、この感じ。

自分なのに自分のことがよく理解できない。
気持ちの抑制も何もかも。

ご飯おいしくない。
むしろ何も食べたくない。
食べないでいて栄養失調になろうが、病気になろうがかまわない。
とにかく食事が苦痛でたまらない。

死んでしまえばご飯食べなくてもいいのにな。
あ、ご飯食べなきゃ本当に私、死ねるのかな。

あのとき、そんな気持ちでした。

 

さあ、ここまでを読んで「なにこいつ」」と思った方・・・いますよね?
数年前の私自身なら、そういう人を心の中では疎ましく情けなく見ていたんだろううな。
それが正真正銘、私の本当の気持ちです。
だって『そういう人』は、かまって欲しいだけ、甘えん坊のだらしのない人なのだと思っていたから。
努力も何もかも足りない気持ちの弱い人、そういう人が都合よくつけた病名『うつ病』なのだと思っていました。

うつ病とは、心の弱さを正当化したいだけの言い訳つきの病名。
甘えているんじゃないか?とか、気持ちを強く持てば吹き飛ばせるんじゃないかとか思っていました。自分にはまったく無関係な症状と思っていました。

「うつ病?、だらけていてもいい都合のいい病気だね。」

顔には出さずとも、そういう人たちを好きにはなれなかったのです。
自分が「うつ」になるまではね。分からなかったもん。

精神科に通うようになって気がつきました。
『うつ』って病気なんだね。

 

気持ちの変化とともに、私はみるみると痩せ細っていきました。
165センチの身長で37キロになったとき、医師から精神科病棟への入院を勧められました。

通院していた大学病院に精神科の入院施設がなかったので、ほかの病院へと紹介状を書いてもらうしかなかったのですが、私は断りしました。
入院が嫌とか、精神科の病棟が未知の世界すぎて嫌だとか、そういう事ではなかったのですが、大暴れを繰り返しているユウタを置いていけば、ユウタの姉であるチヒロへの負担も、ものすごい事になるからと思ったからでした。

大暴れを繰り返していた頃の事は過去にここへも書かせて頂きましたが、チヒロの事だけを考えなくても、とても母親なしでの生活は不可能だったからです。
そうではなくても、お母さんの入院は簡単ではないですよね。

現在は、少しも食べられないほどではないのと、あの頃のように思い詰めるような事はなくなっています。
でも良くなったとは言い切れない感じだけは、かさぶたみたいに残っています。

都合のいい話だけど、こんなふうに自分がうつ病という診断を受けて、いろんな事を思いました。
自分に降り掛からないと、ほんとうのことって分からないんだけど、もしかしたらとか、この人の気持ちの深い部分って?などと考えるようにはなりました。
考えてみよう、と考えるようにはなりました。

でもそれはかなり難しいことなんですよね。
分かった気になってもいけない事」だと自分に言いきかせつつ、ここには私の思った事だけを書かせて頂きます。
私のおもったこと、をね。
答えなんかじゃないよ。私の思った事だけを書きます。

 

「死んでしまいたいなんて言っちゃいけない。」
「死んでしまいたいなんて思っちゃいけない。」

もしも、近くに心を壊してしまっている人がいたなら、そうは助言しないでいて下さい。
それはもちろん、一緒に飛んであげて!という意味じゃなくてね。
聞いてあげて。
なんの否定もなく、その人の、そんな気持ちだけを。

 

そして死んでしまいたい気持ちに打ちのめされているあなたへ。

いいの。
そう思ってしまう事が罪なんかじゃないんだから。

ネガティブとかポジティブとかどうでもいいの。
そのまんまをどこかで吐き出せるのなら、思い切って言ってみて。
だれか探してみて。
文章にするとかでもずいぶん違うよ。

人からのダメ出しなんて表向き真顔で聞いて、心の中では「無理無理、無理です」叫んじゃおうよ。

『あーーーーーー!私もう嫌だ。消えてしまいたい!!!』

いいでしょう? そのくらい。

いいんだよ。
だいじょうぶ。

 

 

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