こんにちは、困ってるズ!です。
今回お届けするのは、
オモイツムギさんの「困ってること」です
【私はこんな、困ってるズ!】
よく言えばユニーク、悪くいえば(?)変わり者と幼少のころから言われ続けてきた発達障害者です。発達障害者といえども、色々います。私の場合は、見ただけ、少し話をしただけではわかりません。見えない発達障害者です。
【こんな風に、困ってるズ!】
一番困るのは、就職活動のとき。現在は就労をしていますが、新卒の際は同級生より10か月遅れました。そして2008年から2009年にかけてのリーマンショックでのリストラによって失業し、現職に至るまで、実に2年2か月間転職活動をしました。
なぜ困るかというと、「目に見えない障害」であるため、一回30分程度の面接では、精神障害や発達障害に関する話はおろか、障害の話題を口にすると、即座に不採用が決定してしまうからです。人事担当や面接官には「ブランクの間、いったいなにをしていたのか」と必ず質問されます。すると障害のためのブランクだと話すことになります。
また二次障害により、緊張と不安が高まって脈絡もなく泣き出すこともよくありました。しかし、このことを説明する時間はありません。それに頭がパニックになっていると、自分でも、なぜこうなるのかを即座に把握することが難しくなります。
また、障害者枠で応募を検討していたにもかかわらず、失業して1年間は、「障害者枠で働かなくても大丈夫」と言われたことがあったり、逆に精神障害者手帳を取得してからは、「障害者雇用は進めているが、精神障害者の雇用実績がない」という理由で内定承諾の段階で断られたこともありました。
【こういうときに、助かるズ!】
いまの勤務先は、特例子会社といって、大企業などが障害者の法定雇用率を達成するために作られた会社です。職種は、新卒のころからずっと事務です。現在は、パニック症状が出ること、不安が強く出ること、発作的に症状が出ることなど、自分で把握している限りの状況をオープンにできています。
時間の使い方が苦手(30分程度と思ったら、1時間経過していたなど)なため、業務が押してしまうこともあります。そんなときは、ジョブコーチが上司となって、一緒に作業スケジュールの管理方法を考え、アドバイスしてくれます。また私はSOSを伝えるのが苦手なのですが、少しでも分からないことや業務に不安がある場合は、必ず質問してくれと事前に伝えられているため、安心して取り組むことができています。
場合によっては、業務の内容を、サンプルを提示することで説明していただいたり、図式化やキーワードを書き出していただくなどのご協力を頂いています。日常会話にも知能にも問題はないのですが、注意力が弱いため、音声だとなにか聞き逃しが発生しやすく、逆に文章による指示の方が、口頭のみの指示よりもより詳細に確実に理解できるという特性のためだと思っています。
なお、現在の勤務先では、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害など、さまざまな障害を抱えている人がいますが、お互い悩みを話せる環境なので、あまり気持ちを溜め込みすぎずにいられて助けられています。いままでは発達障害と精神障害を併発している状態であることで、周囲から人が離れていったことも多かったですが、現在は障害の有無に関わらず、一人の個人として接してもらえているので、とても居心地がいいです。
【こうなったら、助かるズ!】
精神障害者や発達障害者は、働きたいという意欲が高い人が多いです。でも、精神的な症状のために、退職や休職をするとなかなか社会復帰が難しいのが現状です。にもかかわらず、履歴書で空白期間が長くなればなるほど、家族などから「怠けている」「仕事を選んでいる」と言われることが少なくないです。そして、なりふり構わず無理やり就労してみた先が、いわゆるブラック企業というパターンもあり、自信を無くしてしまいます。
この悪循環に少しでもはまらないようにするには、障害の有無に関わらず、社会参加や社会復帰しやすい環境を整えるということを視野に入れた社会になってほしいです。前例がない、先入観や偏見で排他的になるのではなく、「人物重視」という言葉通りに人間関係を築けるようになってほしいなと思います。
発達障害者や精神障害者の人は、確かに繊細だったり、周囲から浮いているようにみえたりすることもあるかもしれません。でも、就労能力は遜色がない場合も少なくなく、業務の際の指示やコミュニケーションにひと工夫を加えるだけで、十分仕事や役割分担をこなすことができます。そのひと工夫をより多くの人に知っていただき、活用していき、人と人とのコミュニケーションの活性化につながればいいなと思います。
(了)
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イラスト: こっぺぱん 大阪在住の高校3年生。 高校1年生の夏、突発性難聴とメニエール病の当事者に。 受験もめでたく終了。春からは、福祉の勉強をするそうです。 |