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メッセージ・ボトル

最愛なる娘へ

 
昨年の東日本大震災から、もうすぐ1年になるころ、娘の障害も同じになる。
忘れられない日となってしまった。

左側空間無視となり、視野が狭くなり、左半身に多少の障害が残り、高次脳機能障害になってしまった娘は、忘れてしまう日々の事や、見えないはずの左側に更に左手が見えてしまったり、癒えない傷と精神に病んでいます。

友達が日々離れ、外に陽に当たらなくなってしまった。
毎日が死にたい気持ちになり、それでも子供の笑顔に少し支えられ、生きている。(*1)
いえ、本人が言うには、「死んでいないだけで、生きていない。」と。
なぜ、障害を持っている人が、あんなに元気で笑顔なんだろうって、毎日のふとした事にいつも落ち込んでいるようだ。
あたりまえでしょう。25歳の若さで脳梗塞になり、人生がガラッと変わってしまったのだから。

昨日、私(母親)の会社の上司がこの「見えない障害バッジ」をきつねのお話と一緒に社内で回覧してくれた。

社内みんなに回覧され、最後に私の机の上に置いてあった。
「ご自由にどうぞ。」と、最後は上司のところへ戻すように名前が押されていて、わかった。
ご自由にのはずが、私用に一つ残されていて、すでにみんなはもらっていた。
隣の男性は「もう、付けたよ。」と、携帯電話をポケットから出して見せてくれた。

きつねのお話とわたしのフクシを読んだ私は、泣きそうだった。
もちろん泣かなかったが、心の中では泣きたい気持ちだった。
私だけが辛い思いをし、誰もわかってくれてないんだろうとしか思ってなかったものだから、支えられてる、考えてくれてる、心配してくれてる、って嬉しかった。気持ちが楽になった。

人とふれあうってありがたい。ホッとする。

娘にも知ってほしい。
友達は離れて行っても、また知り合うことのできる人もいるってこと。
障害を受け入れて、知ってくれてる人や、分かりあえる人の中に入っていけるようになれるといいなあ。

高次脳の人に頑張るとは言えないけど、楽しくなれるよう外へ出てみようよ。
杖を突いて、歩いてみようよ。
 

届いた日:2012年3月8日 22:48
匿名・女性

 
 
*1 娘さんには、6歳の息子さんがいらっしゃるそうです。
 

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