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メッセージ・ボトル

皮膚筋炎になって今思うこと

 
30歳になって間もない今年の9月に皮膚筋炎と診断されました。
自分自身が急に「難病患者」となって思うことをまとまりのない文章になってしまいましたがつづりました。

まず皮膚筋炎とは膠原病の一種で、主に全身の倦怠感や筋力の低下、顔や指等への皮膚の湿疹、間質性肺炎を起こします。皮膚症状がない場合には多発性筋炎と呼ばれます。
ステロイドや免疫抑制剤で症状を抑える事はできますが、通常一生薬を飲まなくてはいけません。
薬の副作用が沢山あるため再燃に注意しながら徐々に量を減らし、最小限で押さえられる量をみつけていきます。

私は今年の9月に皮膚筋炎と診断され即入院、一週間ほど沢山の検査の後ステロイドでの治療を開始しました。
経過順調で退院し、退院後も順調で、勤務時間を短縮して様子を見ながらですが仕事への復帰もらえるまでステロイドの減量が進みました。(病院の方針で副作用の面から基準となるステロイドの服用量があります)
ステロイドの副作用として不眠やムーンフェイス等感じるものは色々あるので多少ストレスはありますが、症状は治まっているし、日常生活に困らない程度に筋力も回復したので私は皮膚筋炎の患者の中でも幸運にも順調なケースだと思います。
 
 
今つらかったなぁと思っている事は、病気がわからなかった期間と、その時医師に言われた言葉です。

インドアな人間なので徐々に落ちていく筋力に気がつかず、今にして思えば何年もずっと階段等でふらふらしながら登り降りしていました。
入院直前には足が上がらないため立ったままズボンをはくことが出来なくなって、やっとそこで運動不足で筋力がないのではなく異常な事なんだと自覚しました。
皮膚の湿疹も一年以上続いていてずっと皮膚科へ通っていましたが、皮膚筋炎特有の症状の出方ではなかったため、薬を塗っても治らず、痒みや見た目がとてもストレスでした。

病気が判明するまでの経緯は、6月頃に会社で健康診断があった際、血液検査で肝機能の数値で高値がでたため内科で血液検査の再検査を受け、その際CKという筋肉の炎症を表す数値が異常値(基準値200程度のものが当時2000以上)で、そこで初めて病気かもしれない、と知りました。
甲状腺のホルモンの数値も若干悪かったため内科では最初「甲状腺機能低下症」と診断され一ヶ月甲状腺ホルモンの薬を飲み様子を見るように診断されました。
ですが結局一ヶ月後の血液検査で甲状腺ホルモンの数値が正常になってもCK、肝機能の数値はさらに高値になっていました。
そこで初めて「膠原病かも知れない」と言われ、「専門でないと分からないので膠原病科のある病院へ紹介状を書く」と言われました。膠原病科のある病院が少なかったため診察予約がとれるまで1週間程度待ち、紹介先の病院での初診で即入院を進められ9月の中旬に入院をしました。

私が今でも忘れられない内科の医師の言葉があります。
膠原病かも知れないと言われ、でも膠原病について詳しい説明をしてくれず、精神的な面が大きかったと思うんですが紹介先の診察を待っている期間に倦怠感や胃の体調がとても悪くなり、事情を伝えて診察を早くしてもらう事はできないか、皮膚の湿疹も膠原病で起こってるのではないかと相談した際、
「まだ膠原病と決まった訳じゃないから考えすぎないで。病は気からって言うでしょう」
と言われました。
あまりの言葉に私は言い返すことも、聞き返す事もできませんでした。
その後その内科へは行っていないので、実際血液検査で異常値が出ている患者に対してその医師が何を考えて言ったのかは判りません。
今でもその時の事を思い出すとショックですし、そんな事を言う医療従事者がいる事に怒りを覚えます。
 
 
膠原病、皮膚筋炎について色々自分でも調べて、見つかりにくい病気だという事を知ったので、自分で病気であることに気が付けなかった事、皮膚科・内科に通っても病名が判明しなかった事を悔いたり責めたりしても仕方がないとは頭では理解していても、どうにかもっと早く判れば長い間辛い思いをしなくてもよかったかも知れないのに、と今でも頭をよぎりってモヤモヤする事があります。
今が順調なんだから、考えても仕方ない過去の事、これから先の事を考えて不安になるのは辞めた方がいいですよ、って周りや医師に言われても、なかなか実践って難しいです。
こちらのサイトや色々な障害を抱えている方の思いを読んで、同意しながら少しずつ自分が「難病患者」である事を受け入れている、というのが現状です。

皮膚筋炎・多発性筋炎の患者数が少ないため、なかなか同じ病気を抱えている方の思いを知る機会がなく、経過順調なのにこんな事で不安に思ったりする自分は未熟なんじゃないか、贅沢をいっているんじゃないかと考えたりもします。

ハンデを抱えていない人には言えないし、自分より症状の重い人にも言えないし…。
どうやってこのモヤモヤと付き合っていけばいいんだろう…。

 

届いた日:2012年12月9日 18:12
匿名・りくり

 
 

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