身内に脳性まひで下肢運動機能障害を患っている者が居ます。
昨年、この活動団体と見えない障害バッジのことを知ったとき、
彼が体験したある出来事を思い出さずにはいられませんでした。
軽度の運動障害なので、電車に乗っていると、彼の障害は見えません。
立っているときはつり革や手すりにつかまっていないと危ないけれど、
座っているときは全く、見えません。
彼も社会人としては中堅どころです。帰路の電車のなかで座って眠ることもあります。
たまたま、優先席が空いていたので座り、眠り込んでいたときでした。
突然、彼は肩を揺さぶられて起こされました。目の前には険しい顔をした壮年男性。
「おい、妊婦が立ってるっていうのにお前どうして座ってるんだ?」
身内は「そりゃ当然だ」と思ってすぐに詫び、彼女に席を譲ったそうですが、
立ち上がって動いたことで、その男性にも妊婦さんにも、
彼が障害を持っていることが判ったそうで、男性は何も言わずにその場を逃げ去り、
代わりに座った妊婦さんは本当に申し訳なさそうに謝ったあと、うつむいてしまったそうです。
彼があのとき、鞄にバッジをつけていたらそうはならなかったのかな。
これもまた『見えない障害』なんだろうな、と、思わずにはいられませんでした。
今年こそはバッジを購入させていただけたらいいなと考えております。
もちろん、彼本人だけでなく、私たち家族も皆。
そして、できれば自分自身にできる福祉活動というのも模索してみたいかも。
届いた日:2013年1月10日 11:05
匿名